少林寺拳法の指導では、技を一つずつ教えることに意識が向きがちです。
しかし、昇級試験や組演武でつまずく拳士を見ていると、必要なのは単なる暗記ではなく、技の意味やつながりまで理解できる指導だと感じます。
今回、1級受験を控えた拳士への指導を通して、あらためて「何をどう教えるべきか」を考えさせられました。
この記事では、少林寺拳法の技の教え方について、昇級試験対策・構えや布陣・攻撃の理解・技同士の関連性という観点から整理します。
少林寺拳法の指導で技だけ教える問題
最近、1級受験を控えた大人拳士を指導する機会がありました。
ここで感じたのは、技だけを個別に教えていても、昇級試験に必要な全体像が伝わっていなければ、受験者は動けないということです。
これは本人の問題というより、指導する側が「どこまで教えるべきか」を整理できていなかった結果でもあると思います。
少林寺拳法の昇級試験対策で必要なこと
本来、昇級試験のためだけに修練するのは本筋ではありません。
ただし、受験する以上は、必要な内容を明確に押さえておくことは欠かせません。
特に、基本・単演・単演相対・組演武のように、やることが決まっているものは早い段階で習慣化しておくべきです。
迷う余地のない部分を先に固めておけば、その後は技の理解や精度を高めることに集中できます。

基本・単演・単演相対・組演武
なかでも、基本・単演・単演相対・組演武は「やること」が決まっています。
よって、悩むことなく最初から繰り返し練習して、不安を潰しておくべきです。
四段試験の前、私は必ず全単演を左右合わせて日課としていた。体に叩き込むためである。
組演武については、修練のたびに「準備運動の一環」としてやっていました。
四段の場合は白蓮八陣・義和九陣もあるので、これも毎日やっていました。
ようは、出ることが決まっているところは、もう「習慣化」してしまうことです。
じゃあ、とりあえずやりましょう!と一緒に組演武をして「これから毎日一人でもエアでやってください」と単演と合わせて伝え、今度は技の確認に入りました。
技を理解させるために必要な要素(構え・布陣・攻撃)
さあ、次は技です。
当然、技ごとに当然「構え・布陣・攻撃」があります。
少林寺拳法は守者攻従なので、みな守者についてはちゃん修練しますが、攻撃についてはいい加減なところがあります。
例えば諸手引抜だとすれば、攻撃は腕逆捕。
「諸手引抜ですが、この攻撃はなんですか?」
『手を持つですか?』
攻撃について、どうしても指導がゆるくなります。
あとよくあるところでいうと「半転身蹴」「横転身蹴」は「攻者が一字構えから逆蹴り」となっており、攻撃側の構えも注意が必要なのです。
少林寺拳法の技はバラバラに教えてはいけない
龍王拳と龍華拳を別物にしない教え方
ついでに構え・布陣・攻撃について話したときに、諸手引抜は龍王拳で、龍華拳になれば「巻小手」になると説明し、そうなると攻撃も同じであるという話をしたところ
「なるほど!そういうことだったんですね!!」と反応が。
なんか申し訳なくなってきた、いままで何をこの人に教えてきたのだろうと、ちょっと腹が立ってもきた(笑
ただこうした状況になっていたことに、ほとんど指導を担当できなかったからということで他の人に任せてしまっていたことにも自己嫌悪。
でもその大人拳士が来るのは、少年部の時間しかいないので、どうしても子ども中心の時間には、手にも限界があります。
技を“関連付けて教える”重要性
級が上がるにつれて、技の数も変化技も増えていきます。
そのときに大切なのは、一つひとつをバラバラに覚えさせないことです。
たとえば、龍王拳を基礎として理解したうえで龍華拳へ広げていくと、技同士のつながりが見えやすくなります。
逆に、別々の技として断片的に覚えると、学ぶ側は一気に混乱しやすくなります。
指導者が技の関連性を整理して伝えることは、学ぶ側の負担を大きく減らします。
道院・支部としては、こうした「教え方」についても共通認識を持たないと、門下生が苦しむと骨身に染みました。
今回学んだことは
今回あらためて感じたのは、道院や支部として、指導者同士が「どのように教えるか」を共有する必要があるということです。
また、少林寺拳法の指導では、技の教え方を体系的に整理することが重要です。
単に「この技をしてください」と求めるだけでも、その場ではできるかもしれません。
少林寺拳法の指導では、技を覚えさせるだけでは不十分です。
構え・布陣・攻撃、そして技同士のつながりまで理解させることで、はじめて応用できるようになります。
今回の経験から、指導者側が「どこまで教えるか」を整理し、共通認識を持つことの重要性をあらためて感じました。
少林寺拳法の指導は「覚える」より「理解」が重要
覚えたことは忘れても、理解したことは残る。
技を単に教えることは、理解させることではありません。
そのためにも、指導者が技について自分自身で学びしっかり体系化することが重要です。
これからも「理解させる指導」を意識していきたいと思います。
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