少年部の練習において、当団ではミット打ちの時間をとても大切にしています。

少林寺拳法には「守主攻従(しゅしゅこうじゅう)」という原則があり、自分から相手を攻撃することは禁じられ、守りを主体としています。

では、なぜあえて「攻撃」であるミット打ちを重んじるのでしょうか?

そこには、子どもたちの技術と安全を高めるための明確な理由があります。

1、避けなくても当たらない攻撃は、守りの練習にならない

演武などでよく見られる課題として、「避ける必要のない攻撃」に対して守りの技を出してしまうケースがあります。

相手の突きがそもそも当たらない位置に飛んできているのに、形だけ受けの動作をする——これでは本末転倒です。

例えば、最初に習う基本技「内受突(うちうけづき)」では、相手がこちらの顔(上段)を正確に突いてくる必要があります。
子ども同士の練習では安全を第一にゆっくり行いますが、「安全に行うこと」と「適当に突くこと」は違います。

攻撃がいい加減になると、守る側の技術向上にもつながりません。正確な守りを身につけるためには、まず正確な攻撃(突き・蹴り)ができることが不可欠なのです。

2、「どんな攻撃がくるか」を体感で理解する

実際に自分が力強く打った経験がなければ、「相手からどんな威力やスピードで攻撃がくるのか」を実感として理解できません。

ただ空気を切る「空打ち」だけでは、打撃の衝撃や感覚がつかめません。ミットを思い切り叩くことで、

  • 自分の突きにどれくらいの力があるのか
  • 相手から来たらどれくらいの衝撃なのか

を肌で知ることができます。攻撃の重さを知るからこそ、相手の攻撃に対して「しっかり守らなければ」という真剣みが生まれます。

3、適切な「間合い」と「踏み込み」を身につける

ミット打ちは、立ち位置や距離を変えることで様々な応用練習ができます。

少し離れた間合い(遠間)から、足さばき(運歩)を使って一気に攻撃が届く位置へ入る練習もその一つです。

「どこまで踏み込めば届くのか」

「自分と相手の適切な距離はどこか」

これらを体得することは、結果として演武や技のキレ(武的要素)に直結します。

まとめ:正しい「攻め」を知ってこそ、本当の「守り」が身につく

少林寺拳法において「守る技術」の修練は非常に大切です。

しかし、相対(ペア)練習の際に攻撃側の動作がいい加減であれば、どんなに素晴らしい守りの技術も意味を成しません。

だからこそ、子どもたちもしっかりとミット打ちを行い、「正確で力強い攻撃」を身につける必要があります。

当団では、単に技の形を覚えるだけでなく、実生活でも役立つ「本物の心と体の使い方」を楽しく・安全に指導しています。

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